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アシックス社員が語る ランニングブームの舞台裏とランニングカルチャーの進化

ピックアップ 2016-07-04  

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初開催から10年が経過した東京マラソン。その間に、ランニングはマニアックなスポーツから女性も注目する“かっこよく、おしゃれな”スポーツに昇華した。そして11回目となる来年からの一部コース変更が6月30日に正式決定された。フィニッシュ地点は東京駅前・行幸通りになり、2020年に向けて注目度が上がりそうだ。この経過をずっと見てきたのが、第1回東京マラソン開催の直前に東京・銀座にオープンした「アシックスストア東京」の立ち上げにかかわったアシックスランニングクラブコーチの島田佳久さんと池田美穂さんだ。

女性をターゲットに定めた「アシックスストア東京」

島田「2007年にアシックスストア東京がオープンする前のランニングショップは、若い女性が入りやすいとは言えなかったと思います。まず、考えたのは女性が入っても怖くない店にしようということ。洋服を選ぶように話をして足も計測、そして足に合ったシューズを提供する。ここに来れば、近くの皇居を走れるというレールを敷きたかった」

池田「私は入社2年目。ランニングが好きということでメンバーに入りました。ランニング用品を実際に接客販売するのは初めてだったので、出店までの二カ月間で知識を詰め込みました。当時の店長はウォーキング業態から抜擢された人。みんな、ランニングショップにかかわるのは初めてで、バタバタだったことを覚えています」

ランニングがブームに

島田「マラソンはテレビで見るスポーツでしたが、行政を始めとした大会を支える人たちの理解が進んだこと、そして走ってみたいという人が増えてマーケット、そしてプロダクトも広がりました。大会は大阪や神戸へ、そして地方へと10年がかりで増えていったのは、まるで木が生長するようだったという印象です。女性にとっては皇居が晴れの舞台になりました。それまでのランニングスタイルは、Tシャツにジャージが一般的。美しくありませんでした。きれいな格好で皇居を走る女性が増えれば、男の人も集まってくる。地方の人もおしゃれにしないと…と気がつき、それが伝播していきました」

池田「はじめは周りの人に“走って何が楽しいの?”と言われました。今では考えられないことですよね。当時は、やはり女性芸能人の影響が大きかった。シューズやウェアのことを聞かれるようになったのは2年後位から。身近で走る人が増え、おしゃれで美容にもいいというように、ランニングに対する捉えられ方が変わり、ランニングが憧れのスポーツに変化していきました。東京マラソンを体験した人が、トレイルやトライアスロンに興味をもつことも増えています。マラソンを切り口にスポーツを楽しんでもらえたらうれしいですね。女性が参加しやすく、そしてコミュニティができたのは、アシックスストア東京が最初だったと思っています」

島田「オープン当初は、連日のように取材が入りましたね。ランニングは、シューズさえあれば始められる“お金のかからないスポーツ”と言われてきましたが、富裕層の健康への意識の高まりと合致し、良いもの、価値があるものを欲しがる人が増えました。これが、GT-2000シリーズの売上増にもつながっています」

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