デザイン性に富んだアイテムの創出が不可欠に
昨今のスニーカーブームの影響で世代を超えてスニーカーが浸透している
今、問題とされるのは団塊世代が70代に差し掛かっていること。これまでウォーキングシューズは、団塊世代の上のゾーンに支持され市場を拡大してきた。
今後、団塊の世代から下の層に訴求していくためには、とくにデザイン性を研ぎ澄ましていかなければならない。
80年代にウォーキングの創成期を支えたエコーやクラークスは、現在ではファッション性を高め、もはや“ウォーキング”という言葉を使わず、カテゴリーもアスレジャーやスニーカーと表現している。
こうしたことから、日本市場におけるウォーキングシューズは今、過渡期を迎えているといえるだろう。
そして今年、シューズ業界全体が厳しいなか、ウォーキングシューズ市場も全体的には低迷している。
ひとつは、前述のように世代替わりに対応するための商品開発の遅れがあり、一方では価格の2極化のなかで節約志向などによる販売不振がある。
また、昨今のスニーカーブームにより、高齢者もスポーツブランドやスニーカーに抵抗がなくなったことから、日常履きにスニーカーが浸透してきたことも大きい。
ウォーキング大会でも、ランニング系などのスポーツシューズを履いている人が増えているのもそのためだ。
元来、曖昧なカテゴリーであるという宿命を背負っているウォーキングシューズが今後も市場を維持・拡大させていくためには、歩くための分かりやすい機能特性をしっかり訴求することが必要だ。
さらに、普段使いのシーンで支持されるデザイン性に富んだ個性的なアイテムの創出が欠かせなくなっている。