アシックスが確信をもって進めた日本へのランニングの定着―東京マラソンとアシックスストアがランニングブームつくる
東京マラソンを走るランナー
都会を走るランナーを普通に見かけるようになったが、日本のランニングブームは、ほんの7~8年前からのこと。その発端は、東京マラソンとアシックスストア東京だった。そこには、「日本にもアメリカのようなランニングライフスタイルが根付く」と信じて動いたアシックスの決断があった。アスリートのトレーニングとしてではなく、楽しく走るための様々なコンテンツと、それを支えるシューズの開発が、市場拡大に果たした役割は大きい。
アメリカでの成功例を日本のマーケットで再現
アシックスは、初開催された東京マラソンの1週間前の2007年2月11日、東京・銀座にランニング用品専門店「アシックスストア東京」をオープンした。今、振り返ると日本におけるランニング市場の流れが変わったのは、この年であり、この場所が起点になったといえる。
同社は、以前から海外のマラソン大会をスポンサードしており、とくにアメリカを代表する大都市マラソンのひとつである、ニューヨークシティマラソンをサポートした経験が、今日のランニングブームの発端になっている。それは「大都市、東京でマラソン大会が開催されれば、日本にもアメリカのようなランニングライフスタイルが定着する」という同社の確信に近い思いからのもの。
さらに、汗くさいイメージがあったスポーツが、女性に受け入れられるチャンスにもなると考えた。その両方を感知して、東京マラソンのオフィシャルパートナーに強い意志をもち名乗りを挙げたのである。
大都市マラソンが、日本全国に伝播していったことも盛り上がりを後押しした。同社によると「東京マラソンも1回目は半信半疑で見られていたが、その様子が口コミを含めて広がり2回目以降、ぐっと盛り上がった」という。その後、関西圏、さらに各地方都市へつながった。楽しく走ることをキーワードとした様々なランニングイベントも行われるようになり、市場はまだ広がる可能性が出てきている。
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