3社ともスニーカーブームが継続したなかでスポーツシューズが好調に推移した
靴専門店大手3社(エービーシー・マート、チヨダ、ジーフット)の16年2月期決算が出揃った。スニーカーブームが継続したなかで、スポーツシューズが好調に推移したことを主要因に、3社合計の連結(ジーフット非連結)売上げは、前期比5.8%増の4865億9100万円と、前年期末時点での予想を上回った。3社合計の265億円の増収分のうち、エービーシー・マートが245億円を占め、商品カテゴリーではスポーツ靴関連の増収分が254億円に上った。
エービーシー・マートは2ケタ増収継続。店舗数1000店舗超に
エービーシー・マートの連結売上げは、前期比11.5%増と2ケタの増収を継続。とくにファッションとしてのスニーカー需要を高める取り組みを行い、レディスシューズが同8.4%減だった一方、スポーツシューズは同18.6%増と牽引した。
国内の売上高は同9.2%増の1748億円、営業利益同2.9%増の371億円。海外の売上高は同18.2%増の642億円、営業利益同24.3%増の43億円。国内はACE ShoesやCharlotteなど新業態を含め出店74、閉店9で、期末店舗数は849。海外の出店は、韓国で19、台湾7。15年12月末の店舗数は合計208。
チヨダは9期振りの増収。ハイブリッド政策とスニーカーの拡大が寄与
チヨダは、連結売上高が前期比1.0%増となり、9期振りの増収、また3期振りの増益も果たした。靴事業はNBとPBをバランス良く共存させるハイブリッド戦略で、顧客層の拡大と商品単価を向上。とくにスニーカーの品揃え拡大が全社売上げに貢献した。靴事業は、売上高同1.4%増の1085億3400万円、営業利益同13.1%増の85億6100万円。商品別では、ゴム・運動靴が前年比9.0%増、子供靴も同6.3%増と好調だった。
業態開発では、インバウンドや女性顧客を意識し出店41、閉店55、アイウォークは出店3、閉店8。年度末の店舗数は1115店で前期比19店舗減。
ジーフットはスポーツ靴の売上げが婦人靴を抜く
ジーフットは、トレンドのスポーツシューズへの対応不足と、高いシェアをもつ婦人靴・子供靴が暖冬の影響を受けたことから、売上高は前期比0.4%増に留まった。スポーツ靴は前期比7.5%増となり、売上げが300億円を超え、婦人靴の売上げを上回った。営業利益は7期連続、当期純利益は5期連続の増益。
グリーンボックスに新コンセプトのキッズ売り場「kutsura」、紳士靴売り場では日本製などにこだわった「匠」を立ち上げ、今期はそれぞれ70、57まで拡大する計画。また、スケッチャーズジャパンとのFC契約のもとイオンモール内にスケッチャーズショップを今年3月に出店、今期は10店舗の出店を計画する。
イオン九州の35店舗を中心に出店76、退店17で期末の店舗数は869。