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もうひとつの「MADE IN KURUME」―インジェクション製法の隠れた魅力を発見

ピックアップ 2018-06-28

品質保証部品質保証課の坂田大祐さん


新たな可能性を引き出したシックインジェクションシリーズ

■16年4月に登場したムーンスター シックインジェクションシリーズの立ち上げの経緯を教えてください。

山田:ヴァルカナイズ製法を用いたムーンスター ファインヴァルカナイズシリーズに対比するものとして、ムーンスターのもう1つの伝統的製法であるインジェクション製法に光を当てた商品を開発することにしました。クラフト感のあるムーンスター ファインヴァルカナイズシリーズに対して、ムーンスター シックインジェクションシリーズでは工業デザイン的なイメージを打ち出しました。また、量産に向いているだけでなく、実は履き心地やフィッティングにも優れているというインジェクション製法のいい部分を引き出すことも考慮しました。

松本:シックインジェクションシリーズが立ち上がった時は、別の部署にいましたが、ファーストサンプルを見た時は、いい靴だなと思いました。インジェクション製法は、量産に向くことばかりが前面に出ていましたが、大量生産・大量消費が限界を迎えつつあるなかで、1つの転換期だったのかもしれません。

山田:インジェクション製法では、PVC やPUを底材に使うのが一般的ですが、シックインジェクションシリーズでは、ゴムを配合した新しい底材を使用しています。ユース商品は、“ゴム”がキーワードになっているので、ゴムの属性のなかで新しい商品をつくれないかと考えました。社内にはゴムの配合を1からできる部署があるので、そこにお願いして新たに開発してもらいました。

坂田:最初は、PVC にちょっとした仕掛けをして提案したんですが、山田さんからダメ出しされました( 笑)。ゴムでやりたいと要望があったので、過去にインジェクション製法で用いていたTPR という配合を復活させ、それをベースにアレンジを加えて開発しました。

山田:インジェクション製法で新しい商品をつくるのは久しぶりだったので、設備も1からつくり上げました。実際につくってみないと分からない部分が多々あり、苦労しました。

坂田:本当にやってみないと分からないことが多かったので、生産技術課にある小さなインジェクションマシンで毎日テストを重ねました。

山田:通常ですと、商品化までには最低1年~1年半はかかるんですが、ムーンスター シックインジェクションシリーズは、数えきれないほどの人の協力のお陰で、1年かからずに商品化することができました。今思い返すと、よくできたなと( 笑)。

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