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ムーンスターが生んだふたつのスタンダード

ピックアップ 2016-08-17  

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靴づくりは信頼関係があってこそ

■お二人はムーンスター ファインヴァルカナイズの開発の際、違う立ち位置から関わったそうですね。
 

松永:当社が創業140周年を迎えるタイミングで、若年層向けのシューズをつくるプロジェクトが立ち上がりました。メンバーは20~30代が中心でした。そして、当社の技術を生かした靴に仕上げるために、会社全体で取り組むようになりました。

山中:私はムーンスター ファインヴァルカナイズの開発当初は、技術開発という部署にいて、若手が新商品を立ち上げているところを見ていました。ムーンスターらしい面白い商品になればと陰ながら応援していました。

松永:すでに市場ができていたなか、あまりベーシックすぎると目立たないし、デザインが派手すぎると履きたい人が限られてしまいます。そんな中でいくつかデザイン案を出していた時、サイドテープに使用するゴムの端に、グラデーションが出たんです。偶発的なものだったのですが、この表現いいよねという話になり、技術スタッフにこの表現を生かせないかとお願いしました。

山中:ただツートンカラーをつくるわけではないので、きちんとしたグラデーションを一定に表現するのが難しいんですよね。偶然いくつか出た、では大量生産ができませんし。

松永:海外工場となると、デザイン画を渡して終わりですが、当社の場合、久留米に工場があるため、すごく細かい単位で修正ができます。その分、現場のスタッフへの無茶ぶりも多いですが(笑)。

山中:無茶ぶりでも、企画スタッフがそういうのならやろうかなと思える信頼関係があるのが、当社の強みだと思います。

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■ムーンスターは140年以上、久留米で続いているメーカーですが、この街が靴づくりに与える影響はありますか?
 

松永:都会はたくさんの情報に溢れていると思うのですが、地方にいると必要以上に情報が入ってきません。トレンドに流されないで、自分たちが納得するものづくりができる環境だと思います。

山中:良い悪いは別にして、久留米には地方ならではのゆるやかな時間が流れています。みんなが幸せに、楽しんで靴づくりができる環境が一番ですね。

松永:久留米はゴム製品を製造するメーカーが多く集まっているため、「ゴムの街」と言われていますが、個人的には「スニーカーの街」としても知ってもらいたいと思っています。すぐそばに工場があり、企画担当と技術担当が密接になって靴づくりができる当社の強みを生かして、国内から海外まで「MADE IN KURUME」のスニーカーの魅力を伝えていきたいですね。

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