アシックスストアが銀座にオープンしたことは女性層にランニングが広がる契機になった
銀座からの発信が女性の心を捉える
東京マラソンのオフィシャルパートナー獲得と並行して動いていたのがアスレチック分野での直営店事業。東京マラソンに合わせ、あえてスポーツ総合ではなく同社の特色を生かすランニング専門業態という結論に行き着いた。足形を測ってシューズを販売するといったコンテンツを取り入れ、ロッカーとシャワーを設置するといったアイデアは、東京マラソン前から活動していた社内のランニング愛好者のなかから生まれていた。走る楽しさを分かち合える予感はすでにあり、勝算があったうえでの進出だった。
「健康」や「カラダを動かすこと」「仲間との交流」を主眼におく女性を主対象に、キャッチコピーは、“銀座ランナー”。洋服を着替えるようにオンとオフを切り替える場の提供が女性に響き、その後の皇居周りのランニング施設増加の走りになった。
女性にとってランニング、とくに大会は晴れの舞台。東京マラソンによって、ランニングが見るスポーツから、するスポーツに変化、さらにその姿を見せる(見られる)スポーツに転じている。仲間と走るナイトランの企画や、デジタルコンテンツの進化が、それを後押しした。
GT-2000 NEW YORK 4
ランニング人口が増えるなか、注目されたのがGT-2000シリーズだ。同社は東京マラソンの前あたりから、バランスの取れたこのシリーズに注力し爆発的に広がった。昨年からは、それに追随して上位機種のゲルカヤノシリーズが上昇。アメリカ市場のような高価格帯へのシフトが上手く運んでいる。