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【インタビュー】ニューバランスジャパン鈴木健マーケティング部シニアマネージャー「スポーツの先進性を日常に落とし込む」


WEB用①

ニューバランスが、次の成長ステージに向けて走り出している。“世界第3位のアスレチックブランドを目指す”というミッションのもと、ランニングをはじめベースボールやフットボールといった競技カテゴリーの強化に動いている。さらに、7月からゴルフ市場に参入するなど、今年もその動向から目が離せない。マーケティングの舵取りを担うニューバランスジャパン鈴木健マーケティング部シニアマネージャーに聞いた。

ニューバランスの本質を伝える

■スニーカーブームとニューバランスの関係性は?

「スニーカーブームに関しては、我々が仕掛けたというよりは、自然発生的に起こったものだと捉えています。ランニングブームをはじめ、山ガールに代表されるアウトドアブームもスニーカーブームの下地をつくったと思います。

スニーカーブームが起こり始めた2013年頃は、ファッショントレンドとして“マニッシュ”がキーワードになり、男性っぽいスタイルが流行っていました。それをいち早く取り入れたのが梨花さんでした。その頃は、996のような女性向け商品も売れていましたが、男性でも購入を躊躇するような2万円を超える1400が女性サイズから売り切れる状況でした。13年のライフスタイルカテゴリーのPR露出は前年に比べ1.5倍になり、それと平行して売上げも増えていきました。

スニーカーが大きなトレンドとなるなか、どういうお客様に残ってほしいかを考えた時に辿り着いたのが、ニューバランスの本質的な部分を分かっている人達でした。ニューバランスは、いい意味で固定ファンが多く、そうした人達がなぜニューバランスを好きなのかにフォーカスしたマーケティング施策を展開しました。その頃、初となる女性向けのブランドブックを企画中でしたが、トレンドを追いかけるのではなく、少し背伸びしてニューバランスの本質が伝わる内容にしました。本に登場する女性達は元々ニューバランスが好きな人達で、彼女達の口からニューバランスの魅力を語ってもらいました」

 

ランニングはニッチではなくトータルで勝負

■昨今のスポーツ市場をどのように見ていますか?

「世の中の流れとしてスポーツが日常的なものになりつつあります。アスレチックカテゴリーの競技人口が減少傾向にあるなか、スポーツブランドは軒並み売上げを伸びています。これはスポーツのコンテキスト(文脈)が広くなっている表れだと思います。

90年代はハイテク全盛期でしたが、現在は単に形や新しさだけでなくテクノロジーを生活の中に浸透させていく方向にあります。ニューバランスのチャレンジもそこにあり、スポーツがもつ先進的な部分を日常生活のなかで役立つものとして商品に落とし込むことを意識しています」

 
■ランニング分野でも存在感を高めていますが

「ランニングは、ニッチでは勝てないカテゴリーなので、全体的に強くなることが重要です。一部の人しか履けないイノベイティブなランニングシューズをつくった場合、ニッチでは勝てるかもしれませんが、全体では勝つことはできません。これまではモデル中心に考えていましたが、FRESH FOAM(フレッシュフォーム)やVAZEE(バジー)をプラットフォームとし、それをもっと広範囲に使えるようにしたほうがメリットは大きいと思います。その代表例が、ニューバランス独自の軽量ミッドソール素材のREVLITE(レブライト)です。当初はランニングシューズ用として開発されましたが、現在ではカテゴリーを問わず広く搭載されています。

このようにランニングシューズで開発したテクノロジーは、他の競技カテゴリーにも応用可能です。ベースボールの契約選手であるダスティン・ペドロイア選手が我々に出したリクエストは、“ランニングシューズのように快適なスパイク”というものでした。ランニングシューズは、アスリートにとっても身近なものであり、我々の強みである快適性や機能性をストレートに表現することができます」

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