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【Sidewalk View】第1回:『デザイン』を最大限活かすために(モンドデザイン堀池洋平)


堀池さん②イメージ写真

以前、ある方から「堀池さんにとってデザイン力とは何ですか?」と聞かれました。僕は良い答えが見つからなかったことを覚えています。その後、日常の業務などを振り返りじっくり考察をし、この「デザイン力」という言葉の意味を良く考察してみると、ぼんやりと考えがまとまってきました。

それは「デザイン力」=「想像力」だということです。この「想像力」とは、何かまだ生まれてない事象や世の中に出ていない製品のことを頭の中で思い描ける力という意味です。例えば、弊社で開発している鞄の新製品を考える時、「どのような人が」「どのような状況で」「どんな感情で」など細かくその人を思い描き想像をする。そしてその人に合った製品を想像して形状を考えるといった一連の行為を行います。

鞄はアパレルです。もちろん見た目のデザイン性が良くないとお客様の支持を得て売れる商品にはなり得ません。ただ、それだけを考えても売れる商品にはなり得ないということも感じています。しっかりと使う人のことを思い描き、それの人にはどのような鞄が合うか、きっちりした形なのか、またはちょっとラフな形なのか…。そんなことを考え抜いて完成した製品は、お客様に支持される確率が格段に高くなります。

また、「デザイン力」とは製品開発だけに当てはまるものでは絶対にないということです。会社の業務内容の改善や効率化にもデザイン力は威力を発揮してくれています。例えば僕の場合、まず改善されて楽になった状況を思いっきり想像します。それが想像できたらそれに向けて1つひとつ課題をクリアにしていけば良いといった流れです。おおむね想像したことの8割ぐらい達成できれば良いと思っています。製品をデザインしたり、仕組みや方法をデザインしたり、すべては完成した時の想像がどれだけ具体的に思い描けているかが重要になってくるのかも知れません。

孔子の言葉で、「学びて思わざれば則ち罔し。思いて学ばざれば則ち殆うし。」という言葉があります。この文の意味は、「学んだことを自分でじっくり考えてみないと知識は確かなものにならない。また、学ぶこともせずに自分の考えだけに思いをはせると危険である」ということです。この言葉にもあるように、気をつけなければならないことは、想像する前にはその事象や製品ユーザーの人物像についてしっかりとした情報を学ぶことが大切だということです。

例えば、ファッションでいうと日本で好まれる色とインドで好まれる色は明らかな違いがあります。また、車でもその地域によって一番重視されている機能特性は変わってきます。そのようなことを充分に頭の中に入れてから、想像するという行為をしないと、的外れな想像をしてしまう危険があります。しっかりとその事象を学んでおけばそのような危険は格段に低くなります。

このように、デザイナーは確かに日々、想像をして形にするという行為を行っているから、多少デザイン力に長けているようにも見えます。ただ、場合により営業職、事務職の方々の方が優れたデザイン力を発揮する場合も多々あるとも感じています。それは、その場面をどれだけ具体的に想像ができるか?にかかっているからだと思います。そのように考えてみると、完全にその人になりきって演じている俳優・役者などは、デザイン力に長けた人なんだと思います。

【著者紹介】

【堀池洋平(ほりいけ・ようへい)】

1980年神奈川県生まれ。幼少期から高校卒業まで福島県いわき市で過ごす。大学卒業後に広告制作会社に勤務。2006年、廃タイヤチューブを再利用した自社開発製品「SEAL(シール)」を販売すべく株式会社モンドデザインを創業。代表取締役に就任
モンドデザイン公式HP:http://www.mondodesign.jp/
SEAL公式HP:http://www.seal-brand.com/index.html

堀池さん②顔

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