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【Sidewalk View】第4回:ディスカウントの危険性(モンドデザイン堀池洋平)

column 2016-07-14  

エッセイ・イメージ写真

商品を購入するかどうかを決める時に「値段」はとても重要です。いくら良いものでもお客様に適正な価格だと思ってもらえないと購入には至らないと思います。

弊社でも製品を多く出していますが、最終的には製品が店頭に並んでいる時に、瞬時にお客様が頭の中で想像する価格を思い描きながらその価格に近づけ、なおかつ原価との折り合いをつけた価格設定を行います。

自分自身の経験でもそうですが、例えば鞄を買おうとお店に行った時に、店頭に製品が並んでいる時の佇まいや店の雰囲気、他の製品との比較により、瞬時に「この鞄は○○円くらいだろう」と考えています。そしてその鞄のプライスタグを見た時に、その無意識に想像していた価格と近いと納得でき、また少しでも安いとお得感を感じます。

製品開発時から低価格を売りにして販売されている商品は別ですが、理由のない割引は非常に慎重に行う必要があります。ディスカウントにより、お客様の想像する価格よりも安くお得感を感じさせる商品は、もちろん購買率は高くなります。ただし、このお得感の危険な所は、一時の販売増には繋がるとは思いますが、数年単位で考えた時にはマイナスになることが多々あるということです。

同じ店、ブランドで一時お得感を感じてしまうと、今後は適正価格が「割高だ」と感じてしまうことが多々あり、これでは購買率は下がります。他にはブランドイメージが悪化する、利益率が悪化するなどといった副作用があります。

このことは大企業や中小企業を問わず、また製品の流通量の大小に関わらず同じく当てはまることだと思います。例えば業界2位のある商品を、業界1位の競合商品に対して勝負を行う時に、価格で勝負をすると上手くいかない可能性が非常に高くなります。元々の原価や開発費を抑えた販売戦略の場合は別ですが、利益率を削ったり、スケールメリットによるコストダウンなどに主軸を置いた場合は、業界1位の競合商品がそれに対抗してきた場合は太刀打ちができなくなってしまいます。

しかしその一方で、海外にはウォルマートといった「エブリデイロープライス」を売りにした巨大な販売店があり、日本ではソフトバンクがyahooBBなどで低価格を売りにした販売戦略を行い成功を収めています。

上記のディスカウントと異なる所は、ウォルマートはいつでも最低価格を保証してくれているので、お客様が割高だと感じることはなく、安心して買い物ができます。またソフトバンクに関しては、ブロードバンドという市場がこれから作られて行く時に競合他社がまだひしめき合っている状況だからこその戦略だと思います。

このように、ディスカウントも状況に応じて上手く活用すれば効果的な武器になることも多々あると思いますが、その場合は一時的な販売増だけではない低価格をする明確な理由をしっかり考え、数年単位での販売戦略が必要となります。

【著者紹介】

【堀池洋平(ほりいけ・ようへい)】

1980年神奈川県生まれ。幼少期から高校卒業まで福島県いわき市で過ごす。大学卒業後に広告制作会社に勤務。2006年、廃タイヤチューブを再利用した自社開発製品「SEAL(シール)」を販売すべく株式会社モンドデザインを創業。代表取締役に就任
モンドデザイン公式HP:http://www.mondodesign.jp/
SEAL公式HP:http://www.seal-brand.com/index.html

堀池さん②顔

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